研究内容

テロメア恒常性の維持と異常応答:その分子機構と進化

 

テロメアは染色体の維持に必須な機能エレメントであり、その正常な機能発現に必須なタンパク質が様々な生物種から多数同定されています。通常のDNA複製では末端複製問題と呼ばれる現象でテロメアDNAが短縮しますが、多くの真核生物種ではこの問題をテロメラーゼと呼ばれる末端特異的伸長酵素の働きにより解消しています。我々は出芽酵母と病原性真菌を材料に、テロメア制御システムの進化、その破綻に対する生理応答に関して、遺伝学的手法と1細胞レベルの細胞動態を追跡する手法とにより解析しています。

 

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細胞の分裂と成長の共役を司るシグナルの制御機構

 

通常、細胞増殖は分裂と成長が共役することにより進行しています。ゲノムの多倍体化や細胞老化の際には様々な生理的異常が観察されていますが、その多くは分裂と成長の調節異常に起因すると考えられています。当研究室では、細胞成長の主要な制御経路であるTOR経路による分裂と成長の調節機構を、ストレスへの適応という観点から研究しています。また、その制御異常による細胞機能異常の発現メカニズムにもアプローチしています。

 

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ゴミ掃除の細胞生物学

 

タンパク質のダメージ、老化、ミスフォールディングなどによって生じた不良タンパク質が生体内に蓄積すると、神経変性疾患や老化などの原因となります。これに対抗するため、細胞は適材適所に不良タンパク質を認識して、分解する様々なタンパク質品質管理システムを備えています。私たちは哺乳類培養細胞を中心に、オートファジーやユビキチンがどのようにゴミとなった不良タンパク質を分解へ導くのか、その仕組みを研究しています。未知の品質管理システムにも着目し、タンパク質品質管理システムの全体像を理解することで、生体内のゴミを取り除いて綺麗にするメカニズムの解明を目指しています。

 

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